2013/10/09 ~5日目⑤~



北朝鮮金剛山の九龍の滝
九龍の滝、見事。しかしここまで麓から時々立ち止まりつつ2時間、日本でもこんなに歩いた事は無く疲労困憊。


九龍の滝
この辺では現地人が水やジュースを売っているので、水が無くなった人にも安心。いつもの如くホテルで供給されたミネラルウォーターを持ってきていたので買わなかった。
金剛山の弥勒仏
日帝が彫った「弥勒仏」。金日成が文字彫って景観を乱したとか、我々も人の事は言えない。首領様もさすがにこの辺には彫っていないようで、ハングルは見当たらない。


ここでも例に漏れず中国人団体客と遭遇。しかしいつもと違って意外に物静かな集団。
しばらくすると別の中国人団体客がやってきたが、やっぱり非常に賑やか。朝会った中国語女性ガイドが
傍に居たので聞いてみると、前者は台湾人、後者は中国人との事。なるほどやっぱり。先月沖縄でも同じ
光景を目にしたが、同じ大陸の人でも全然性質が異なる。そんな事を考えながらしばし一服。

さて、距離を考えると気が滅入るが、来た道を戻る。



女G2が先の方で先導、男G3と私で話しながら歩く。


同志もテコンドーやりましたか?
男G3 僕は軍隊だから撃術だ。敵を一撃で倒さないといけませんから。もう今は全然だけど。(※このおじさん凄い)

中国語話せますか?
男G3 簡単な会話くらいですけどね。「チーファン ラマ?(※ご飯食べましたか?)」とか。
とにかく中国人は食べるのも遅いしゆっくりだから、早く早くって言わないと全然観光が進まない。





台湾も日本の植民地でしたが朝鮮半島のようにあまり日本を恨んでいません。これは同志には理解できないでしょう?
男G3 何をおっしゃいますか。僕が理解できなくて誰が理解できると言うの?(※おぉぉ?!)
そ、そうなんですか?
男G3 台湾は残念ながら本土から見捨てられましたし、生きていくには日本に頼るしかないじゃないの。
そういう事ですか。
男G3 中国人の案内で見習いとして台湾人に付いてみなさいと言われて付いた事あるけど、年配の人はみんな日本語が話せる。
だからそういう人には日本語で案内しましたよ。そしてみんな礼儀正しい。


たしかに2年前台湾で付いてくれたガイドの頼さん(79歳)は日本語がバッチリだった。
台湾のどこへ行っても雑な感じがなく、何か日本と変わらない雰囲気だったのを覚えている。
北朝鮮も旅行先としては悪くないけど色々あってあまり大きな声ではお勧めできないので 、
行った事が無いなら台湾にも是非行ってみて欲しい。海外旅行に慣れるなら台湾は最適。

そして北朝鮮と台湾、どちらも日本は国家承認していない。そろそろこの関係も見直す時に
来ているのではないだろうか。



日もだいぶ昇ってお昼時に。


今の朝鮮は偉大な首領様と将軍様が作られましたから、金氏朝鮮と言っても良いんじゃないでしょうか。
男G3 ・・・それは封建的な言い方だから、ちょっと違う。

男G3 我が国も植民地になりましたが、日本がロシアと戦おうというような時に朝鮮では「夜の月はきれいだ」とか
呑気に過ごしていたからそうなってしまっただ。
そのように教えられましたか。
男G3 悪い歴史は悪い歴史として知っておかねばならないと将軍様はおっしゃいました。
(※さすがは将軍様、先軍の強さの秘訣は温故知新か)

日本に居ながら反日する在日の方が居ますが(※一部の人)、日本より祖国に住んだ方が住みやすいと思う事が
ありますがどう思いますか?(※去年と同じ質問を敢えて聞いてみた。)
男G3 こちらに住んでも不満が出ると思いますけどね。文化が違いすぎるから。
(政治的)行事があっても今日は面倒だから出席しないとか、そういうのはこちらでは認められない。
一人がみんなの為に尽くす社会だから。日本みたいに何でも物が揃うわけじゃないし、一人で寂しいといっても
風俗も無い。住むのは難しいんじゃないかなぁ。
なるほど・・・。


絶えず自己犠牲が求められ、総括により常に隣人同士が互いに批判し合う社会。
おそらくこの国で育った人にしか適合できないだろう。社会主義で配給制度があるから
金を稼ぐ必要も無いので、誰もがボランティアに従事できる環境があると理解すれば
良いのだろうか。にわかに理解し難い不思議なウリ式社会主義制度。





主体思想って、宗教のような物ですか?
男G3 んー、海外でインタビューを受けてそう言った人が国に帰って来て怒られた人が居ました。
ほぅ。
男G3 黄長燁(ファン・ジャンヨプ)という人だ。
黄長ヨプをご存知でしたか。(※脱北した労働党最高幹部)
男G3 金日成主席に物凄く大事にされていたのに、朝鮮に家族も居るのにどうして逃げるの?そんな事する必要無いじゃない。
朝鮮では五亡、すなわち年を取った時の五つの過ちの事だけど、当時はみんな彼は五亡だと言っていましたよ。
なるほど・・・。宗教ではなく哲学でしょうかね。


五亡は恩を忘れるとか恥を忘れるとかそういうのが五つある事を言う。
黄長ヨプ氏の脱北理由は明らかになっていないが、例えいくらエリートでも将軍様から睨まれれば今までの栄光が
全て灰に帰す国なので、誰が逃げても不思議では無い。このような転落エピソードをここでひとつ紹介しておこう。

統一日報:強制収容所の中の少年と海軍司令官



やっと帰還、帰りは1時間30分で戻れた。

麓の木蘭館で昼食。


女G2 ここの名物の焼肉があるんですが、今日は無いとの事なので代わりに"ちまき"を召し上がってください。
ちまき知ってますか?
分かります。(※焼肉との落差がありあすぎるが、ちまきは久々)



ガイド達は別室、最初は私1人だったが、後で台湾人の団体が入ってきて静かに食事していた。

金剛山謹製ミネラルウォーター、ホテルでも朝に提供される。そしてポンハクビール。



強行軍の後は疲れすぎてあまりお腹が空かない・・・。煮魚や鶏肉、水餃子、お粥等々。骨付き鶏肉が美味。
北朝鮮ちまき
中華っぽいおこわが入ったちまき。ご飯が香ばしく素朴で美味しかった。


金剛山の九龍の滝コース
以上、金剛山の九龍の滝コースでした。

では次の観光地へ。途中に星金剛食堂と書かれた食堂が見えるが、営業しているかは謎。



車から降りて松並木の中を通る。

上に上がると革命闘士金正淑女史の事績地と書かれた石碑。その奥には・・・?






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