2016/01/10 ~2日目①~




とても寒い冬の朝。

いつものもやしのスープが無くなったか。相変わらず目玉焼きが旨い。


民主首都ミンジュスド平壌ピョンヤン
車でピョンヤン駅前を通過。

待ち望んだ雪景色が眼前に。


昨日テレビで主体朝鮮という言葉をよく使っていましたが、先軍朝鮮から変わりましたか?
男G4 いえ、色々な言い方がありますから変わったという訳ではないです。
高麗ホテルの前はずっと工事していますが建て替えようとしているんですか?
男G4 あれは中国資本で建設しているようですが、今は中断しています。
 
元帥様の髪型って流行っていますか?
※DailyNK:北朝鮮「男は黙って覇気ヘア」
女G3 ・・・。


女G3に完全にスルーされた。
街で私が見る限りではそんな真似をしている勇者は誰も居ない。
それにしてもDailyNKの記事の半分は妄想で書いているとしか思えない内容もあるので
玉石混交であり、全てを盲信するのはオススメしない。



冬の平壌の街角。

タクシーに手を上げる人もちらほら。今日はスポーツの大会があるようで人の動きが活発。


朝8:30、今年も錦繍山太陽宮殿へ。
参観のオプション料金も以前より値上がりして5000円から10000円になっていた。ちなみに外周を見に行く
だけなら料金はかからないとの事。到着後、他の旅行者達を待つ為、待合室で待機。しばらくすると米国人
らしき4、5人の集団が入ってきて、その後に推定マレーシア人のカップル、その他ユーロ圏の人達の集団が。


あれはアメリカ人ですかね。
女G3 彼はウリツアーズの社長です。
(※アメリカの朝鮮系旅行会社)


ロングコートが似合うイケメン社長とスタッフ達。朝鮮観光は世界的にかなりブームになってきている印象で、
私と同時期にウリツアーズの手配で著名なスノーボードの選手達が馬息嶺スキー場を訪問していた模様。
日本でも中外旅行社、307インターナショナル以外にJSツアーズやKJナビツアーズ等、朝鮮観光を取り扱う
会社が増えてきた。

今後大きなカジノ等が整備されて客単価が上がってくれば、経済制裁が無力化されて革命武力のスソタンや
弾道ミサイル製造は止められなくなるだろう。今現在共和国にはカジノはある事はあるが中国資本であり、
この件は詳しく後述。

英雄的美人ディーラーを配備し、最高水準の民族料理も提供、そしてあの喜び組のショーも観られるような
主体性、民族性を備えた総合娯楽場が出来たなら、世界中が狂喜して共和国に殺到する事は間違い無い。
他のカジノと違ってウリ式社会主義の独自システムにより人件費がほとんどかからないのでかなりの利益を
見込めるだろう。スキー場に豪華客船と来たら次はカジノしかない。その利益で人民生活の向上を図れば
唯一領導体系が強化され、よりいっそう朝鮮人民が一心団結すると思われる。


野戦服持ってます?
女G3 私は持っていないです。この前日本人の女性達が買って行きましたよ。
とてもお似合いでした。


女性革命家も着実に育っている模様。
人民服や野戦服は採寸しての購入を勧められるので高く付くが、出来合いの物を買えば安い。
朝鮮観光マメ知識のひとつ。

さて、長くなったが他の外国人観光客が揃ったので受付へ。カメラと財布を受付で預け、男性係員から
空港並みの入念なボディチェックを受けて中へ入る。さすがにこの場所はガイド達も神妙な表情になって
いるのが分かる。



「金日成将軍の歌」の重厚な演奏が流れ、偉大な英雄の荘厳な雰囲気を演出。


長い動く歩道を3人で静かに進んでいく。
左右に偉大な金日成大元帥と偉大な金正日大元帥の生前の現地指導の写真を、限りない懐かしさと
熱い敬慕の念を胸に、厳かな音楽が流れる中で鑑賞しながら進む事になるのだが、最初に見るのは
若い頃の写真で、奥に進むにつれて晩年の写真に変わっていくという、なんとも味のある演出。

偉大な指導者が国の為人民の為に身を粉にして精力的に現地指導を行い、この長い通路のごとく
社会主義革命の道のりの中、こころざし半ばでお隠れになられたその無念さと、偉大な指導者を失う
という民族最大の悲報を受けた朝鮮人民の計り知れない悲しみを想うと、自然と目頭が熱くなるのを
覚える。

自分は別に在日でも何でもなく、無論偉大な指導者の恩恵を受けた訳でも無いが、2年前と違って
今年は色々と感慨深いものを感じた。私が年のせいで涙もろくなってきたのか、情緒不安定なのか、
はたまた真の革命精神が根付いてきたのかは不明だが、他に参拝している人民達やガイド達と共に
目を赤くする。やはり普段から暇があれば白頭偉人達の記録動画やNaenara、料理人の本とかを
見ていたせいか、きっとこれが洗脳というやつなのだろう。危ない危ない・・・。
はからずもこの国における思想形成の仕組みを真の意味で体感できた気がした。

だがしかし、私が完全に染まりきる事は無い。動画だけを見ればこれほど希望と誇りに満ちた国は
無いくらいの地上の楽園に見えてしまうのだが(私だけ?)、誰一人として在日の人が祖国に帰ろうと
しない事実が私を現実に戻す。旅行客が決して見る事の無いこの国の闇は深い。

それにしてもこれだけTwitterやFacebookといったSNSツールが発達している現代にも関わらず祖国を
訪問する在日の訪問記がネット上に全くと言って良い程見られないのは不可解であり、当局により
撮影を制限されているのか、未だにそうした事を外部に晒すのは利敵行為と宣伝されているのかは
分からない。いずれにしても本国の徹底した情報統制が敷かれていると見える。


冬の錦繍山太陽宮殿クムスサンたいようきゅうでん
共和国の最高尊厳、錦繍山太陽宮殿。冬の宮殿は木々が白くなってシックな雰囲気に。


2年前と違うのは、中にある偉大な金日成大元帥と偉大な金正日大元帥の白い石膏像がカラーになって
よりリアルになっていた。万寿台創作社が良い仕事をしたと見える。
以前と同じく、淡く赤い光が差し込む薄暗い永世ホールでお眠りになられている偉大な金日成大元帥と
偉大な金正日大元帥に拝礼。相変わらず肌つやが生前と変わらない。訪れていたチマチョゴリで正装
した女性達がいずれも皆例外無くすすり泣いて目を赤くしており、すれ違う地方の企業所や工場の職員と
思われる人達の体が一回り小柄なのも2年前と変わらない。その他多くの若い軍人達が訪れていた。



あの3Fの奥に偉大な金日成同志が永眠されている。

自然のいたずらか、異様に美しく冬の雰囲気をかもし出す木々。


参観の後は外に出て外観を撮影。ガイド達も雪景色の太陽宮殿を訪れる事は珍しいらしく、
良い物が見れたと言っていた。見てのとおり外はクソ寒いのでカメラを持つ手が凍りそう。
参観時間は2時間程かかって終了した。


男G4 ここはこれで終わりですが、次は万景台行きますか?
モランボン行きましょう。    
男G4 分かりました。


現地解説員がいるような観光地以外はこのように自由に行き先を変えられる。
ただし行きたい場所は初日の打ち合わせで全部伝えておかないとこのように
ならない事もあるかも。行く可能性のある場所をまず会社に報告しなければ
ならないと男G4が初日に言っていた。



※DPRK1~22まで観光動画有、この美人英語ガイドと3年前に会ったのも良い思い出。



という事で、4年前に訪れたモランボンへ再訪。

やや晴れ間が見えてきた。






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