◆ 日本/北朝鮮のライフスタイル比較 ◆
|
項目 |
日本 |
北朝鮮 |
住居 |
自由に住まいを選択できるが、家を買うにも借りるにも当然費用がかかり、都会ではホームレスの問題も存在。 |
無料。ただし住居選択の自由は無く、政府(朝鮮労働党)が決めた場所に住まなければならず、身分(出身成分)が低い、または思想に問題ガあるとされた場合は生まれた場所から出られない。在日の帰国者達は後者に位置付けられており、日本から国家に寄付をする親族が居ない場合は最初に住んだ場所から出られない模様。党が居住を決めているはずだが何故か児童の浮浪者が存在し、徒党を組んで泥棒したりするので犯罪は少なくない。 |
食料 |
自分で稼いだお金でやりくりして、稼げない人は食えない事もあるが仮に貧乏でもそこそこお腹一杯にする事は可能だろう。 |
無料の配給制。地方都市だと量が不十分なので闇市場で不足分を買う事も。それができない時は常に空腹の過酷な生活を送る事になり、地方から平壌に訪れている人を見ても皆小柄で背が低いのでそうなる事は間違いない。 |
医療 |
高い水準の医療と薬で大概の病気は治り、有料で誰でも等しく治療が受けられる。難病の場合は貧乏だと治せない事も有りそう。 |
無料だが高いとは言えない医療水準で、身分が低いとそもそも十分に観てもらえず手遅れになるので日本では普通に治る病気(結核、破傷風等)でも死ぬ事もある。高い身分や高い地位に付けば診察順が早くなる模様。 |
移動 |
自由に国内国外移動可。 |
国内でも職場での許可制。身分が高い、または相当仕事で功績を挙げないと認められない。海外渡航はなおさらで一般人にはほぼ不可能。 |
就学/就職 |
本人の努力次第で将来を選択でき、どのような仕事にも就ける反面、ニートや生活保護が社会問題に。 |
党が決めるので職業選択の自由は無いが、仕事は全員に割り当てられるのでニートは居ない。これもやはり身分が重要で、高い身分でないと上位の希望の学校や仕事にはありつけない。 |
勤務体系 |
概ね週休2日、仕事が終わらないと休日出勤や残業が発生。 |
案内員同志が言うには仕事は全員定時で終わって休出無し、週休1日で土曜午前は仕事、午後は各職場で政治・思想学習。ここからは本で読んだが日曜日は休みだが政治集会や市内清掃等の奉仕活動に半ば強制参加。というのも出席が少ないと思想性が低いとみなされ、最悪は都市部から地方に追放の憂き目に。 |
社会的成功 |
良い大学を出て高収入または安定した仕事に就く。大体は努力でなんとかなる世の中で、収入を上げる為の努力や個人の幸せの追求を行う。 |
良い暮らしを得る為には党員になる必要があり、地方での農作業手伝いや建設労働で社会主義における自己犠牲精神を党に認められなければ党員にはなれないので、まずはそこを目指す事になる。軍隊は党員への近道なので男女共に希望者も多い。そしてやはり身分が良くないと党員は難しい。この国では身分が最も重要な要素で、生まれた時点で将来が決まる。また個人の利益の追求は利己主義で悪とされ、相互扶助で他人の為に生きなければならないが、どこまで助け合いが行われているかは不明。 |
民族性 |
言いたい事があっても言わない、またはやんわり諭し、波風を立てないのを良しとする。 |
生活総和というシステムで同級生や同僚の欠点や問題点を集団の中で徹底的に批判し合う。嫌いな人が居たらこれで徹底的に叩き落し、仲の良い人とは予め批判する内容を決めておいて打ち合わせ通り批判を行うという形式主義的な総和も存在する模様。 |
宗教・思想 |
自由に選択可能。 |
主体思想の習熟が必須で、国民全員が金日成・金正日教の出家信者と言える。偉大な首領を高く戴いて、終生その恩恵をひとときも忘れる事無く一生を生きなければならない。学生時代は勿論社会人になってからも常に主体思想の学習と実践が求められる。 |
結論 |
こんな自由な国は無い。 |
日常生活がほぼ無料なのは良いが身分制と移動制限のデメリットが勝る。しかし本人の得意分野を政府が集中して伸ばしたり、国家の為に尽くした人に手厚い生活を保証する仕組みは良い事だと思う。日本でも金メダルやノーベル賞を取った人は政府が生活の面倒を見ても良い気がした。党と首領、身分、そして思想が何よりも優先され、自分の利益の為ではなく集団の為に生きるという斬新過ぎる社会に外国人は適応は難しいかもしれない。 |